不眠症と生活スタイルの関係

不眠症と生活スタイルの関係

自然のリズムと生活スタイルの不一致

 

夜の街仕事でも遊びでも、一日の活動の中心を夜にもってくるいわゆる「夜型の生活」は不眠症の原因になりやすい生活スタイルです。

 

照明設備が整って夜でも自由に活動できるようになったのは、長い人間の進化の歴史から見るとほんの最近のことです。

 

明るいときに活動して夜になったら眠る、という人間の生理はまだまだ昔のままと考えなければなりません。

 

地球上の生き物にはおよそ24時間の生命活動のリズムがあります。

 

とうもろこしは昼間、葉で光合成して糖分を作り、夜はできた糖分を実に運びます。

 

人は朝太陽の光をあびると、脳を覚醒させるホルモンが分泌され、活動モードに入ります。

 

体温や心拍数が上がり、いつでも筋肉を動かせる準備が整います。

 

しかし起きてから一定の時間がたつと、脳の温度を下げるホルモンが分泌され、眠気がおそってきます。

 

体内時計が刻む活動と睡眠のリズム

 

日の光このような24時間周期の生命活動のリズムを「概日リズム」といいます。

 

「概」というのは「およそ」という意味です。人間の概日リズムは約25時間だといわれています。

 

地球の自転周期との1時間の誤差(30分くらいだという説もあります)は、毎朝太陽の光をあびたときにリセットされます。

 

この概日リズムは昼夜の区別のつかないトンネルなどでの生活でも正確に刻まれています。

 

これは1976年に行われた数か月間地下壕で暮らすという実験で証明されました。

 

太陽が出ず、もちろん時計もない環境で、人は自然に25時間単位で眠る、起きる、の生活を繰りかえしたといいます。

 

この時間を計る身体の機能は「体内時計」とよばれています。

 

地下での生活では25時間周期の体内時計がリセットされないので、数か月間のうちに地上と何日かの誤差が生じたといいます。

 

夜型の生活、あるいは昼夜交代勤務などで自然のリズムに合わない活動をしていると、ある程度は慣れることができても、眠りのリズムが乱れて不眠症になるリスクが高くなります。

 

海外旅行のときの「時差ぼけ」も概日リズムと合わない活動が原因です。

 

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