睡眠改善薬について(1) ドリエル
エスエス製薬から発売されている睡眠改善薬「ドリエル」は人気の高い薬です。
2003年に発売以来、エスエス製薬の看板商品となっており、頭痛薬に次ぐ人気商品で、類似商品も10を超えています。
ドリエルはいわゆる「睡眠薬」ではないことが強調されており、ドラッグストアで気軽に手にとって購入できる気軽さが人気の理由です。
睡眠薬ではない?
この睡眠改善薬「ドリエル」の成分は、医師の処方箋がないと買えない「睡眠薬」とは違うものなのでしょうか?
はい、確かに違います。
風邪薬を飲んだときに「眠くなる成分が入っているので車の運転などは控えましょう」という但し書きがありますが、ドリエルはこの「眠くなる成分」を逆手に取って、睡眠を助ける薬として発売しているのです。
「眠くなる成分」とは「抗ヒスタミン剤」のことで、ジフェンヒドラミンという成分が含まれています。
抗ヒスタミン剤の副作用を利用している
「抗ヒスタミン剤」とは、読んで名の通りヒスタミンの作用をブロックする薬のことです。
ヒスタミンは脳内の神経伝達物質であり、ヒスタミン受容体に結合すると覚醒状態、興奮状態になります。
抗ヒスタミン剤はヒスタミンがヒスタミン受容体に結合するのをブロックします。
その結果、花粉症、風邪によるアレルギー症状を緩和します。また乗り物酔いの薬としても使われます。
副作用として眠気を催します。
薬の副作用を逆手に取って発売するなんて、商売上手というか、よく考えたな、と思いますね!
一過性の不眠のためのもの
ドリエルは、「日常的に不眠の人」「不眠症の診断を受けた人」は使ってはいけない、とドリエルの添付文書には書かれています。
「睡眠改善薬」の謳い文句とは矛盾するようなのですが、どうなのでしょうか?
ドリエルの添付文書によると「一時的な不眠症状の緩和」に効果があるとのことです。
※「一時的な不眠」とは、「精神疾患等病的な原因のない人が経験する一過性の不眠」のことで、その持続期間は数日間で、一週間を超えない範囲の不眠のことを言います、と説明されています。
次のような症状のときに使うのが良いとされます。
- ストレスで眠れない
- 神経が高ぶって、疲れているのに眠れない
- 心配事で夜目が覚めてしまう
- 試験、面接、プレゼンなどの大切な用事の前でなかなか寝付けない
ドリエルは、就寝する前に2錠服用します。2錠でジフェンヒドラミン50mgが入っています。
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睡眠改善薬について(2) ドリエルと同じ成分のお薬