睡眠薬の種類(2)

睡眠薬の種類(2)

3. 非ベンゾシアゼピン系

 

ベンゾシアゼピン系の改良版で、ベンゾシアゼピン系の副作用である「筋弛緩作用」を低減したものです。

 

安全性が高いため、広く処方されている睡眠薬です。作用時間はすべて超短時間作用型になります。

 

分類

商品名

薬剤名

最高血中濃度

到達時間

血中半減期

超短時間作用型 マイスリー ゾルピデム 0.7-0.9時間 2時間
アモバン ゾピクロン 1時間 4時間
ルネスタ エスゾピクロン 1〜1.5時間 5時間

 

それで、「すぐに寝付きたい」という入眠障害がある人に向いている睡眠薬ですが、夜中に何度も起きてしまうタイプ(中途覚醒)には向きません。

 

非ベンゾシアゼピン系はベンゾシアゼピン系と同程度か、やや少ない耐性、依存性もありますので注意が必要です。

 

4. メラトニン受容体作動薬

 

2010年4月に承認された新しいタイプの睡眠薬です。

 

これまでの「GABA受容体作動薬」とは異なる作用機序があります。

 

体内時計のリズム調整を司っているホルモンが「メラトニン」ですが、メラトニン受容体作動薬は、メラトニン受容体にくっついてメラトニンのように働き、神経を穏やかにし、体温を下げて睡眠へと導きます。

 

ラメルテオン(商品名:ロゼレム)

 

副作用、依存性はほとんどないと言われています。メラトニンが少ない高齢者に合った薬で、しかもふらつきなどがありません。

 

即効性は乏しく、抗不安作用もないので効果が弱いと感じる人も多いようです。そして翌朝の眠気は多めになります。

 

抗うつ剤(SSRI)のデプロメール/ルボックス(フルボキサミン)との併用はできませんので、フルボキサミンを使っている人には要注意です。

 

またこれはかなり大事な点ですが、ロゼレムは発売されて日も浅いこともあり、薬価が高い(1錠84.9円)です。ジェネリックはまだありません。

 

5. オレキシン受容体拮抗薬

 

こちらも2014年に発売された新しい睡眠薬で、これまでの「GABA受容体作動薬」とは異なる作用機序があります。

 

「オレキシン」という神経ペプチドは「覚醒の維持」という働きをしています。「オレキシン受容体拮抗薬」はブロックする、つまり「覚醒の維持」をブロックするわけですから、睡眠へと導くものです。

 

ラメルテオン(商品名:ロゼレム)
最高血中濃度到達時間:1.5時間
血中半減期:8時間

 

効き目はしっかりしています。半減期が人間の睡眠時間とほぼ一致するため、入眠を助け、中途覚醒にも効果がある、バランスの取れた睡眠薬です。

 

まだこれからの薬ですが、耐性、依存性もなく、これから広まっていくと考えられます。

 

 

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